そうした方に対する金融機関の支援策として、条件変更(返済を一定期間据置する)という制度があります。
また教育資金についても優遇金利で融資が受けられます。(金融機関によって違う)
ここでは、新型コロナの影響で給与が減って住宅ローンの返済が厳しい。さらに長男の大学進学が重なった田中さんに、新型コロナ対策の融資制度を提案します。
田中さんの家族構成と家計収支
《家族構成》
田中さん 45歳 自動車部品製造会社勤務 年収560万円
妻 43歳 大学売店のパート 年収96万円
長男 18歳 今年4月から都内の私立大学進学
長女 15歳 今年4月より高校公立普通科進学
《資産・負債》
戸建て住宅所有(15年前に購入)
預金 100万円(定期預金)
住宅ローン 残高1,500万円 金利1.5%(変動) 残期間20年
《収 入》
田中さん給与収入:手取り月額30万円→25万円へ 1回のボーナス35万円(今年は支給不明)
奥さんパート収入:手取り月額8万円→4万円(勤務日数が半減)
1カ月の収入合計38万円→29万円(13万円減収)
《支 出》
生活費 月額25万円
住宅ローン 月額9万円(ボーナス払い無し)
学費 年間108万円(月額9万円) ※下宿費、生活費は奨学金とバイト代で捻出
1カ月の支出合計 43万円
月収入29万円ー月支出43万円=▲14万円
見てのとおり、ひと月14万円の赤字となっています。
住宅ローンの見直し
まず住宅ローンの毎月の元金返済を1年間据置してもらいましょう。
※1年間据置:9万円×12カ月=96万円の支払いを1年間ストップする
ただし利息(毎月23千円)の支払いは必要。
これで1年間は毎月の支払いが6万7千円軽減されます。
条件変更ってなんか気が引ける…..。と思っていませんか?
大丈夫です!
国が後押ししている制度です。
気兼ねをせず堂々と申込みしましょう。
教育ローンを利用する
教育ローンは証貸と当座貸越(カードローン)の2種類の借入スタイルがあります。
例えば、証書貸付は100万円借りて毎月返済していく。
カードローンは100万円の枠をつくって、枠のなかで何度でも利用する。
といったイメージです。
通常は証書貸付とカードローンでは金利差が倍以上あるため、金利の安い証書貸付を推したいところですが、新型コロナウィルス対策融資として低金利の教育カードローンがあります。
大阪シティ信金では1.90%の特別金利で利用できます。しかも教育資金の特徴として在学期間中は利息のみの支払いでOKです。
卒業後にカードローンの残高を毎月返済していきます。
カードローンの金利は通常10%以上です。
なのでこの金利は神です!
田中さんに200万円の枠のカードローンをお勧めします。
赤字はどうなった?
《収 入》
1カ月の収入29万円・・・①
《支 出》
・住宅ローン:条件変更後の毎月返済額23,000円
・学費 :教育カードローンで支払うため持ち出しは0円
・教育カードローン:毎月返済1,710円(利息のみ)
これに生活費25万円を加えると274,710円・・・②
①-②=15,290円
ご覧のとおり、収支が改善。黒字になりました!
まとめ
収入は減っても、支払いは減りません。(何もしなければ)
条件変更(返済の猶予)はどの金融機関でも申し込めます。
まずは、動いてください。
間違っても、通常のカードローンやフリーローンは使わないように。
10%以上の金利を払うのはもったいないです。
あなたのお近くの金融機関でも優遇された商品を取り扱っているはずです。
田中さんのように、上手に融資制度を活用しましょう!
(※融資を受けるには金融機関による審査があります)
事業者向けの融資はこちらの記事を参照 ↓

最後までお付き合いいただきありがとうございました。