
現在は親と別居していますが、今後同居することになり父親の土地に二世帯住宅を建て替えすることを検討しています。建物、諸費用を合わせると約2,500万円くらいになる予定で、そのうち1,000万円を父親が出してくれることになりました。 残りを私たち夫婦で支払うため、住宅ローンを組むことになります。
ここで相談です。
①土地の名義は父のままですか?それとも名義変更(私?夫?二人の名義?)したほうがいいのでしょうか。
②建物の名義は誰になりますか?もしくは、誰の名義にすべきでしょうか。(父?夫?私?夫婦?)
こんなご相談にお答えします。
土地の名義は父親のままでもOK
通常、土地を借りる場合は土地代を支払いますが、親子間の場合は土地代を支払わず借りるケースが多いでしょう。
賃借料を支払わずに土地などを使わせてもらうことを「使用貸借」といい、このケースでは特に税金は発生しません。
一方、家を建てるために土地の名義を親から子へと変更した場合、その土地は「贈与」されたということになり、贈与税の対象となります。無償で贈与した場合は土地の時価全額が贈与となり、時価よりも安い金額で譲り受けた場合は「みなし贈与」となり、譲り受けた価格と時価との差額が贈与税の対象となります。
建物の名義は単独でも共有でもOK
まずお父様からの援助資金1,000万円は、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」が利用できます。※下記参照
住宅取得契約の締結期間 | 省エネ・耐震性住宅 | 左記以外の住宅 |
2020年4月~2021年3月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
2021年4月~2021年12月 | 1,200万円 | 700万円 |
なので、夫婦どちらか単独、もしくは夫婦の共有名義で検討することになります。
まず奥様の実父からの贈与ということであれば1,000万円分は奥様の持ち分で登記することになります。
※上記非課税制度は直系尊属(父母、祖父母)からの贈与が条件のため
次に住宅ローンは誰が組むのか。
ご主人単独であれば1,500万円分はご主人の持ち分となりますし、連帯債務で組むのであれば、債務の負担割合に応じた持ち分の登記が必要となります。
まとめ
親の土地に住宅を建てる場合(無償で借りる使用貸借)に注意したいのが、親が亡くなったときです。
相続が発生するため、他に相続人がいない場合は特に問題はないですが、(基礎控除を超えれば相続税が発生)兄弟姉妹がいる場合は注意が必要です。
住宅敷地が父親名義である以上、当然に相続の対象財産になるため誰が相続するのかという問題が発生します。
「家を建ててるんだから敷地は当然私のものよ」とはいかないでしょう。
このためお父様のご健在のうちに「遺言」を作成してもらうなど、相続対策をぬかりなくしておくことをお勧めします。
以上、ご参考になれば幸いです。