
銀行から送られてきた返済予定表には住宅ローンの残高800万円、金利2.15%と書いてあった。この前ネットを見ていたら住宅ローンの金利は0.4%とか0.5%になっているらしい。借り換えすれば毎月の返済がいくらか減るはずだし、59歳と定年が近いけど借り換えできないかなぁ…。
こんな疑問にお答えします。
59歳でも借り換えできます
まず年齢条件は20歳以上70歳未満ですから問題ありません。ただし最終返済時の年齢が80歳以下となります。59歳からですと返済期間が最高で21年間です。
問題となるのはサラリーマンの場合、多くの企業では60歳の定年があるということです。
「60歳以降も安定した収入が得られ、返済していける」
ここを疎明できるかがポイントですね。
①65歳まで嘱託で働ける 給与は年間○○万円である
※職務規定等をもとに疎明する
②65歳以降年金収入が○○万円ある
※年金事務所にて受給額を試算してもらう
以上により、60歳以降も年収>年間返済額+生活資金であることを銀行に説明できればOKです。
収入減るんだから無理?
では「60歳から嘱託になるため収入が3割減少するけど、借り換えなんてできるの?」といった場合、どうすればよいのでしょう。
《収入合算》
同居の家族に収入がありませんか。
奥様(配偶者)がお勤めであれば、連帯保証人に参加することで奥様の収入を合算することが可能です。(契約社員、パートでも可)
もしくは働いている同居のお子さんに協力してもらうことも考えられます。
住宅ローンの審査項目に返済比率があります。無理なく返済できるかを見るためのもので目安は30%以内です。
収入合算することにより返済比率を下げることができます。
本人のみ(単独):年間返済額80万円/年収250万円×100%=32.0%
本人と妻(合算):年間返済額80万円/年収350万円(本人250万円+奥様100万円)=22.8%
返済比率の条件30%以内をクリアーしました。
団体信用生命保険は必須?
略して団信といいますが、債務者(借主)が死亡または高度障害になった場合、保険金で債務(借金)をチャラにしてくれます。
本人にとっても、家族にとっても、銀行にとっても安心な制度です。しかも保険料は銀行持ちです。(フラット35は別に必要)
フラット35以外の銀行では団信の加入が条件となる場合がほとんどです。
健康体であれば問題ないんですが、「最近病気になって手術をした」「定期的に治療をうけている」といった場合は加入できない可能性があります。
借り換えを検討している銀行に申し出て、事前に団信の申し込みをしてみましょう。
過去3年以内に手術、治療、投薬を受けたことがない人は、まず問題ありません。
詳細は新機構団体信用生命保険制度 申込書兼告知書・記入例 – フラット35を参考にしてください。
また、団信が加入できそうもないという方もあきらめずに、「フラット35借換融資」を検討しましょう。
こちらは団信の加入が条件となっていないためです。
ただし、フラット35は固定金利のため、1.23%~1.99%(R2/7現在)と変動金利に比べ高く、借り換えするメリットがでるのか確認が必要です。
毎月の返済額はどうなる
では実際に借り換えした場合、返済額はどうなるでしょうか。
<試算条件:金額800万円、期間15年、変動金利0.398%、単位:円、%>
項目 | 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
変更前 | 2.15 | 52,035 | 9,366,204 |
変更後 | 0.398 | 45,791 | 8,244,858 |
差額 | -1.752 | -6,244 | -1,121,346 |
諸経費(概算) | 抵当権抹消・設定 | 104,000 | |
事務取扱手数料 | 176,000 | ||
その他登記関連費用 | 30,000 | ||
印紙税 | 10,000 | ||
合計 | -801,346 |
※参考:住信SBIネット銀行借り換えシミュレーション
ご覧のとおり毎月返済額△6,244円、総返済額△801,346円の返済軽減となりました。
尚、上記諸経費は一般的な概算であるため、個別に確認をお願いします。
まとめ
上記の試算では変動金利0.398%(ネット銀行)を使用しましたが、現在利用している住宅ローンの金利が固定金利の場合は検討が必要です。
変動金利は将来金利が上昇する可能性があるからです。もし2.15%を平均して超えることになれば「借り換えしなきゃよかった」ということになりかねません。
最終的には自己判断でお願いするしかありませんが、個人的には、少子高齢化の流れにある日本で、著しい経済成長は見込めないと考えているので「変動金利はあり」と思っています。
以上ご参考になれば幸いです。それではごめんください。<(_ _)>