
来年、子供が小学校に上がるし、そろそろ家の購入を考えたい。ただ心配なのが自営業者は住宅ローンを借りるのが難しいと聞くし、ここ最近商売の調子が今ひとつ。昨年の営業所得は200万円だけど住宅ローン2,000万円借りられるかなあ…。
補足情報:水道工事業、青色申告、減価償却費60万円
妻パート収入100万円あり
こんな疑問にお答えします。
自営業は不利?
自営業者が住宅ローンを考えるときに注意したいのが、所得がプラスとなっているか、大きな変動がないかということです。
審査項目のなかでも大きなポイントとなる比率に「返済負担比率」があります。所得に占める年間返済額の割合を表します。
この所得は「直近の所得」もしくは「直近の所得3期分の平均」としています。基本的には3期連続して黒字であることが望まれます。
もし赤字となった期があればそれ相応の理由が必要です。赤字ということは貯蓄を取り崩す、もしくはよそから調達しなければ生活できませんから、「住宅を購入している場合ですか」ということになります。
自営業者が不利と言われる理由はこの「所得が不安定」であることです。
サラリーマンの所得が赤字になることはないですよね。
自営業者は節税等により利益の圧縮が可能である反面、銀行から借入するときにはその節税後の所得(確定申告数字)で評価されることになります。
いくら「本当はもっと儲けているんだ!」と言ったところで、銀行は表に出てこない数字は評価できません。
営業所得200万円ですけど…。借りられる?
返済期間35年、金利1.58(フラット35)と仮定した場合
①所得325万円(営業所得200+青色申告特別控除65万円+減価償却費60万円)
※青申控除、減価償却費等をみなし所得として加味することが可能です。
②年間返済額75.6万円(月額6.3万円×12)
返済負担比率=②÷①×100%
75.6万円÷325万円×100%=23.2%
基準値30%(上限)をクリアーしており、借り入れ可能な範囲です。
※この比率が低いほど良好、返済余力あり
妻を保証人にしないとダメ?
ご主人のみの申し込みでOkです。
ただ審査によって連帯保証人の参加を求められる場合があります、その場合は奥様が連帯保証人になればよろしいかと思います。
妻のパート収入は考慮される?
基本的には連帯保証人とならない場合は配偶者の年収は審査の対象外です。
ただし、定性情報としてプラス材料になりますので、担当者にはアピールしてください。
※定性情報:数字には表れない情報
連帯保証人となる場合は、パート収入も審査の対象所得に加味されます。
パート収入100万円全額か1/2の50万円のいずれか。(金融機関による)
まとめ
結論は営業所得200万円でも2,000万円の借入は可能です。
ただし、今回の例ではみなし所得が125万円あるため、合計所得が325万円でした。
みなし所得が0円であれば、返済負担比率は37.8%となり2,000万円の借入は難しいでしょう。
その場合、奥様がお勤めで安定した収入があれば、奥様が連帯保証人もしくは連帯債務者となることで所得合算することが可能です。検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、今回は自営業者の所得と借入額の割合から借り入れ可能かどうかを書いてみましたが、住宅ローンの審査にあたっては、返済負担比率だけではなく、購入する物件の担保価値、信用情報等に問題がないかという点も考慮されることを申し添えます。
以上、ご参考になれば幸いです。